世界最大の露天風呂

面積は約5,000平方メートルあり、世界最大の大露天風呂です。
青い乳白色の湯にはミネラル、ケイ素、藻などの有効成分が豊富に
含まれていて、皮膚病治療の効能や美白効果があるとされています。
☆　☆　☆
こんなに有効成分を含んでいるのに、この巨大施設は温泉とは言われず
風呂と呼ばれているのはなぜでしょう。
このお湯、実は自然に湧き出す天然温泉ではなく、
隣接するスヴァルツェンギ地熱発電所の地表下から
汲み上げられた熱水を利用して作られた温水だからです。
ここの地熱発電所では、摂氏240度の地熱海水を地下2000mから
汲み上げタービンを回して電気エネルギーを産み出しています。
また、真水を暖めたり、温水を近隣の街へパイプラインで
送ってもいるそうです。
以上のような用途に使用された後の余った温水は約70℃あり、
それがどんどん流れ出て蓄えられたものを、温泉リゾートに利用
しようということになったようです。
人工的に造られたものとはいえ、この温水は天然のミネラルを
豊富に含んでいるし、天然の塩水でもあるし、
従って、天然湧泉ではないけれども、
れっきとした温泉と言っても何ら差障りの無いものと言えそうです。
☆　☆　☆
この施設が一般の温泉浴場としてオープンしたのが1987年。
以後、入浴面積の拡大や建物施設の改良拡充などが重ねられ、
今では年間約20万人もの来場者があり、その半数以上が
外国人旅行者だそうです。

温泉施設へ行くまでのバスの車中からもミルキーブルーの湖のような
風景を見ることができました。
こういう所は入浴施設としては認められていず、入ることは
できないとのことでした。
実際に入浴できるのは施設の整えられたエリアだけです。




駐車場から入浴施設に行くまでの道は、ごつごつとした溶岩台地の間を
縫った通路を100mほど行きます。ここでも、傍らにはミルキーブルーの
水がまるで川のように見られます。



先ずは、温泉施設の建物の屋上から全体の風景を眺めました。

露天風呂の後方には、白い蒸気がモクモクと上がっている
スヴァルツェンギ地熱発電所が見えます。
☆　☆　☆
因みにアイスランドでは、水力発電が80%強、地熱発電が20%弱で、
これで全電力供給がまかなわれているそうです。
化石燃料による火力発電は一切なく、車や船などの輸送用
にだけ化石燃料が使われているそうです。
☆　☆　☆
アイスランドが天然資源を実に効率的に利用していると感じるのは、
例えばホテルでの体験ですが、お風呂やシャワー、洗面所の
蛇口などをひねると、プ〜ンと鉱泉臭い匂いがすることが
多いのです。温泉や天然水を有効利用しているのですね。

館内のレストランで昼食を摂りました。
館内にはレストランのほかにもカフェやショップなど
モダンで洒落た施設が整えられています。

さあ、いよいよ入浴体験です！

入湯料を払ったゲストにはリストバンドが渡されます。

リストバンドにはICチップが埋め込まれていて、
これによって入退場の記録の他、ロッカーの施錠・開錠も行います。
館内における飲食などの精算にも使われ、施設内で発生した各種料金は
退館時に一括精算するシステムとなっているため、
館内では財布を持ち歩く必要がありません。
☆
水着に着替えた後、個人の持ち物は電子ロック式のロッカーに入れ、
その後、入浴に備えてかなりしっかりとシャワーで体を洗わねば
なりません。化粧も落とさなければいけません。
☆
真冬に水着だけで温泉まで歩いて行くのはさぞ寒かろうと
心配していたのだけれど、室内にまで温水が引かれていて
室内で温水に浸かり、そのままドアを開けて屋外に
出て行くことができるのでした。

　　　

温泉の底は火山岩でゴツゴツしていたり、沈殿した白い泥だったりします。
この白い泥「シリカ」には美容効果があるとされ、泥の入った容器が
何ヶ所かに設置されています。私達も(女性も男性も)早速皆で泥パック！
この泥に含まれるケイ素が角質を取り除き肌をきれいにするのだとか。
但し、あまり長時間ぬっているとピリピリする人もあるようです。
この泥成分を配合したコスメがショップで販売されていましたが
けっこう高価でした。
☆
旅の初めにワイワイと温泉に浸かって裸の付き合いをしたことで、
同行のツアーの皆さんといっぺんに打ち解けて和気藹々の雰囲気でした♪

湯の温度はコンピュータ制御により37‐39℃に設定されていて、
日本人にはちょっと低めですが、そのぶん長く湯に浸かっている
ことができます。
深さは場所によってまちまちでしたが、安全のために最も深い所
でも 1.4ｍまでと制限されているとのことです。
だいたいお腹のあたりほどの深さでしたが、何しろ寒いので
たいていは首まで浸かっていました。

湖のように広い温泉にはサウナや打たせ湯もあるそうですが、
時間的余裕があまりなくて、あちこち探検ができず残念でした。
温泉に浸かりながら飲み物をとることもできるのです。
☆
広いのでどれだけ大勢でも入浴できそうですが、
ロッカーなどの設備面で、一度に入湯できる人数は最大700人
だそうです。それにしてもスゴイことですね(~-~)

遙か地球の向こう側で、厳寒の中での巨大露天風呂体験は
得難い楽しい体験でした＼(⌒O⌒)／

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