ギリシャ文明の中心地
アテネ
ローマのチビタベッキア港を出てから14泊、15日目の朝に
船はアテネの外港ピレウスに着きました。
朝まだきピレウス港に近づいていきます。まだ灯りが瞬いていました。
すっかり夜が明けたピレウス港、このベランダからの眺めも、もう見納め。
下船後、船を振り返って、15日間に亘って住み慣れた船室にお別れです。
バスでアテネ市内に入りました。
フィロパポスの丘へ登っていきます。
フィロパポスの丘は、パルテノン神殿のあるアクロポリスの丘の南西に
位置し、標高147m。アクロポリスの丘の全景を一望するには絶好の場所です。
アクロポリスの丘とパルテノン神殿。
パルテノン神殿は修復工事中のようです。
私達の旅はアテネは駆け足で観るだけでしたので、パルテノン神殿も
フィロパポスの丘から眺めるだけでした。
丘の頂上には、アテネの街に貢献した
古代ローマ時代の執政官フィロパポスの顕彰記念碑が建っています。2世紀頃のものです。
この丘がフィロパポスの丘と呼ばれるゆえんです。
フィロパポスの丘からは、アテネ市内がほぼ360度眺望できます。
アクロポリスの丘の反対側にはエーゲ海が眺められます。
フィロパポスの丘の中腹にあるソクラテスの牢屋(と言われている)です。
西洋哲学の祖といわれるソクラテス(紀元前470年頃~紀元前399年4月27日)は
青年達の心を惑わせたという罪でアテナイの法廷によって裁かれ、死刑判決を受けました。
プラトンをはじめとする弟子たちが脱獄をすすめたけれども、法の遵守を第一にする
として拒否しました。「悪法も法なり」という有名な言葉がありますね。
(因みに、ソクラテスはこんなに有名なのに、私はその思想をよく知りません。
ソクラテス自身の著作は全く無く、その哲学はプラトンなどの弟子の著作によって伝えられています。
今、私はプラトン著『饗宴』を手始めに読み始めましたが、どこまで理解できることやら、、、)
国会議事堂
1842年にギリシャ国王オットー(オトン)1世の宮殿として建てられたものが
1931年に改装され国会議事堂として使われています。
国会議事堂の前の無名戦士の碑。
400年にわたるオスマントルコ支配に終止符を打ったギリシャ独立戦争(1821~1829年)など、
戦争で命を落とした兵士達を慰霊追悼するために1932年に造られました。
戦に斃れた兵士のレリーフを中心に、その左右には古代ギリシャの
歴史家ツキジデスの言葉がギリシャ語で刻まれていて、
片方には「英雄たちにとっては、世界中どこでも彼らの墓となりうる」
もう一方には「伏している無名戦士のために、空のベットが運ばれてくる」と
記されているそうです。
無名戦士の碑の前には、エヴゾナスという民族衣装を身に着けた衛兵が立っています。
30分ごとに左右の持ち場、1時間ごとに衛兵の交代があります。
その様子の動画です↓
衛兵交代の動画
第1回近代オリンピックスタジアム(アテネ競技場)
1896年近代オリンピック第1回アテネ大会の時のメイン会場です。
古代競技場跡に建てられ、大理石造りの観客席は5万人収容、
馬蹄形になっているのが特徴です。
2004年アテネ大会、女子マラソンで野口みずきさんが金メダルのテープを切った所です。
車窓からのスポット
★ハドリアヌス門とゼウス神殿は、ほぼ隣り合うようにありました。
2世紀にローマ皇帝ハドリアヌスによって建てられたゼウス神殿は
かつては104本ものコリント式の柱が並んでいたけれど現在では
そのうち15本しか残っていないそうですが、車窓からだと
更に見えなくて、2本ぐらいしか見えませんでした。
★メリナ・メルクーリ(1920年~1994年)の像はメインストリートに面していました。
映画「日曜はダメよ」で1960年カンヌ映画祭女優賞を受賞した映画女優。
後年は政治家としても活躍しましたが、元々彼女の祖父はアテネ市長、
父は内務大臣という政治家一族に生まれたのでした。女優として活躍
しながら軍事政権に反対するなどの政治活動も行い、晩年は国会議員に
当選、文化大臣も務めました。ギリシャ国民に敬愛されているそうです。
★アカデミーはネオ・クラシック様式で、ファサードには古代ギリシャ式の柱。
高い円柱の上には知恵と正義の女神アテナと光と神託の神アポロンの像が
乗っていて、さらにその前に座っているのがソクラテスとプラトンの像。
★国立図書館もアカデミーの並びに建っていて、やはりネオ・クラシック様式。
こちらの像は、建築資金を出した富豪の像のようです。
★国立歴史博物館の騎馬の銅像は、ギリシャ独立戦争の英雄だそうです。
ギリシャを飛び立ってイタリアのローマに向かいます。
紺碧のエーゲ海を眼下に見ながら、いよいよこの海ともお別れです。
飛行機でローマに着いた後、その日のうちにバスでナポリに向かい、
ナポリで久し振りに地上のホテルに泊まりました。
次のページへ