産業革命後のイギリスでは、急速に開発が進み、
歴史的な名勝や自然の景勝地が破壊されていきました。
これらを保全するために立ち上がったのが
牧師のハードウィック・ローンズリー、弁護士のロバート･ハンター卿、
そして社会活動家のオクタビア・ヒル女史の3人でした。
1895年1月、民間非営利団体のナショナルトラストが設立され、
その活動によって初めて取得された資産（プロパティ）が
【ディナス・オライ】でした。
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ナショナル・トラスト運動に対してはその後、法律も整備されました。
一言で言えば、ナショナル・トラスト運動は国民からの寄付による活動であり、
国民からの寄金によって買い取った自然や不動産を売ってはならないし、
従って、買い取られたあらゆるプロパティは未来永劫に保存される、という
「譲渡不能の原則」が定められました。
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ナショナル・トラスト運動は、今では世界中に広がっています。

バーモスの町から見る崖地には、建物は建っていません。
教会を通り過ぎて、花々の咲く崖を登って行くと、
眼下には町と海岸と海の景色が広がります。
海側から眺めた崖地の景観も、崖地側から眺めた海岸の景観も
共に保全されているのです。

ディナス・オライを後にし、
昼食をとるために立ち寄ったアベリストゥイスは古くからの町で、
バスもその側を通った英国立ウェールズ大学アベリストゥイス校がある
海辺の大学の町です。
海霧が立ちこめている海岸沿いの街並には、
ウェールズの象徴・ドラゴンの図柄の商店も。

ピンクのサンザシの花がとても可憐で綺麗だった。
プルーストの長編小説『失われた時を求めて』の中で、
少年時代の主人公が白いサンザシの花の生垣の道を散歩しているとき、
1本だけ薔薇色のサンザシがあるのを見つけ、
その花の向こうに突然少女の姿が現れるのに出くわす―――
―――そのサンザシの花の色はきっとこんな色だったのだろうなぁ～
そんなことを思いました―――